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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

時間的には随分苦しいの。ですからもし行けばほんの三日ぐらいです。前後を入れて五日。しかしなろうことなら六月にまとめたいのですけれども。

うれしいにつれてね、心配です。おわかりになるでしょう? 私が達ちゃんのどういう点を心配がるか。こっちで一度経験ずみだそうですから却ってましかもしれないが、もう単純ではないから、全く。すぐお嫁さん話で、もうお母さんもその一点をゴールですから、かえったら本当にちゃんとした手入れしてからでないと。よく不具な子をもったり白痴もったりしては生涯の不幸だから、そうでなくてもお嫁さんの足が曲らなくなったりしてはことですから、よくよく注意が肝要です。あるものとしての処置をすべきです。口さきでのきれいごとは誰にも通用しはしないのだから。そんなことですむ以上深刻なわけですから。

ここまで書いて、今はもう夜です。

おなかの苦しいのは癒って、よく夕飯をたべました。そして左腕に、もう種痘をしました。原価七厘(五人分よ)。それを薬屋では十銭に売ります。町の医者は一人前三十銭―一円とります。伝研に種切れで、きょうは五人分しか薬屋が届けて来なかった由。