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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
だが、火星の生物の遺失物であるのはいいとして、それがどんな用につかわれる品物か、それがよくわからない。
火星の生物が、天狗岩の附近に落していった青い鞭のようなものは、一体何に使う品物か、謎を秘めたまま大学へ送られることとなった。
つまり、大学へ持っていって、材料や形などから、それがどんな用に使われる品物かを、研究してもらうためだった。
大江山課長は、一通りの報告を終えたあとで、次のような注意を、部下一同に与えた。
「はじめ、蟻田博士が、火星の生物に注意をしろとか、火星兵団というものがあるから気をつけなければいけないなどと言出した時には、私は、何を言うかと、実は、博士を気が変な人あつかいにしていたが、その後、つづいて起ったいろいろの怪事件――と言うと、千二少年が天狗岩で会った怪塔・怪物事件、怪人丸木が銀座でボロンを買うため殺人を犯した事件、それから千二の父親千蔵が、見て大怪我をしたという火柱事件などであるが、それらの事件を通じて、よく考えてみると、どうもこれは何かあるらしいのだ」
と言って、課長は、あらためて、部下一同の顔を、ずっと見廻した。一座は、しいんとなって、課長の口から出て来る稀代の怪事件に関する、一言一句も聞きもらすまいとしている。