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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
7 やみとひかり
「おうい、待て。薬品どろぼう、待て!」
店員と弥次馬連中が一しょになって、丸木の後を追いかけた。店をしめて、静かになったばかりの銀座は、とんだことから、火事場のようなさわぎになった。
「あれっ、いないぞ。どこへ行ったんだろう!」
「おい薬品どろぼう、こっちへ出てこい」
出て行くものもないだろうが、とにかくどこへ逃込んだか、丸木の行方はわからなくなった。
7 やみとひかり
銀座に起った怪事件については、あくる朝の新聞は、たいへん大きな見出しで、でかでかと書きたてた。
「怪人、銀座に現れ、薬屋を荒す」
「怪事件におびえた昨夜の銀座通」
「共犯者の少年、逮捕さる」
など、いろいろな見出しで書きたてられたが、「共犯者の少年」とは外ならぬ千二のことであった。
千二は、逃げそこなって、警視庁にひかれて行ったのである。
その朝刊に、もう一つ銀座の怪事件が、並んで出ていた。
「宵の銀座に、奇怪な殺人。被害者は、若きタイピスト」
各紙ともこの二つの事件は、別々の事件として新聞に並べて書きたてられた。
ただ一つ、東京朝夕新報という新聞だけは、この二つの事件を一つと考えていいような風に、記事を書いた。