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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
2 漂う毒気
この時千二の頭は、かなりぼんやりしていたが、あまりに気味のわるい叫び声であるから、鉄管の中でじっとしているわけにもいかず、鉄管から首をだして、声のする方を眺めたのであった。
その時の彼の驚きといったら、言葉にも文字にも綴れない。
千二のいるところから、ものの二十メートルとは離れていないところに、大きな岩があった。それは湖の中へつきだしている、俗に天狗岩という岩にちがいない。その岩の上に、とても大きな爆弾のようなものが、斜に突刺さっているのだった。その爆弾様のものは、表面からネオン灯のようなうす桃色の光を放っていたので、その輪郭は、はっきり見えた。
それは一体何ものであろうか。
2 漂う毒気
天狗岩に、斜に刺さっている爆弾のような怪しい物!
「あっ、あれは、なんだろう!」
と言ったきり、千二は、まるで石の人形のように、からだが、うごかなくなった。それはあまりに驚きがひどかったからだ。
でも、こわい物を見たいのが人情であった。千二は、ぶるぶるとふるえながらも、目を皿のように大きくして、そのうす桃色に光る爆弾様の巨体をじっと見つめていた。
すると、いた、いた。