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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

51 博士の大決心

博士はしきりに電気火花をじいじい言わせて、ガラス管の中にある青黒い紐のようなものにあてていた。

「しずかにしていてくれ。わしの研究の、じゃまをしてはいかん」

博士は、目盛を直しては、またじいじいと電気火花をとばし、ガラス管の中をのぞきこんでいる。

「しかし、博士。……」

「こら、だまっておれというのに……」

博士は、新田先生が話しかけるごとに、きびしく叱りつけた。一体博士は、何をしているのであろうか。

新田先生は、ついにだまってしまった。

博士は実験をくりかえしていたが、そのうちに、たいへん驚いた様子で口を大きくあけ、手のひらを打った。

「うむ、やっと思うように行ったぞ!」

博士は、ひとりごとを言った。

新田先生は、博士のうしろから実験台をのぞきこんだ。

博士はガラス管を指先につまみあげて中をのぞきこんだ。青黒い紐のようなものの一部が、赤く焼けたようになっている。

「これだ、これだ」

博士は子供のようにおどり上った。博士は実験に成功したらしいが、それは一体どんなことであったろうか。

蟻田博士が躍り上って喜ぶなんて、よくよくのことである。

博士の研究は、ついに完成したらしい。