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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

64 地球よ、さようなら

そのことは、丸木艇の針路をしらべていくことによって、蟻田博士には、もうはっきり、わかっていたのである。

丸木艇が、火星に行くものとすれば、別に、こっちも、いつも操縦席についていなくともよろしい。ジャイロスコープを利用した自動操縦器に、万事をまかせておけば、大空艇は、どんどんと宇宙を走り、火星に近づいて行くのである。

なにしろ大空艇の速力が、もっと早くなるようだと、どこかで丸木艇に追いつけたのであるが、ここへ来て、丸木艇の方が、大空艇よりもすこし速度が速いことがわかった。そういうことになれば、あとは、自動操縦器にまかせて、火星へつく日をまつより外はない。

火星へは、いつになればつくのであろう。

宴会がはてたのち、千二は、新田先生と一しょに大空艇の望遠鏡に目をあてて、丸木艇の姿をうしろから、ながめていた。

「先生、丸木艇は、あいかわらず、全速力で飛んで行くようですね」

「そうだねえ。だいぶん小さくなったような気がする。丸木艇は、なかなかスピードが出るなあ」

「先生、佐々刑事はどうしたのでしょうか」

と千二は、ふと、佐々刑事のことを思い出した。

「ああ、佐々刑事か。