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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

55 突撃隊

突撃隊長大江山課長は、ついに前進の号令を発した。

55 突撃隊

突撃隊の出発だ。

めあては、まず甲州の山奥にかまえている、火星兵団だ。

そこには怪人丸木が隊長として、幾十幾百とも知れぬ火星の宇宙艇を、さしずしているのである。

地球がモロー彗星にこわされる前に、この宇宙艇の中につみこんで火星へさらっていこうというあわれな捕虜たちが、附近の穴の中にたくさん押しこめられていた。人間もおれば、馬や牛や豚や猫や犬もいる。すべて火星では見られない、まことに不思議な生物なのである。

火星人は、人間や馬や牛を火星へ連れていって、家畜とするつもりである。馬や牛が家畜とされるのはまだいいとして、人間たちが、火星人のため家畜とされて、たまるものではない。

大江山捜査課長を隊長とする突撃隊は、火星兵団の手から、捕虜になっている人間をとりかえそうと、甲州の山奥をさして押しかけたのであった。

「ははあ、また麓の方から人間隊がやって来たぞ」

「おお、また来たか。人間というやつは、なかなかしぶといやつだな」

火星人が二人、山のいただきに監視兵として立っていたが、突撃隊が下からのぼって来るのを見て、ばかにした。