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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

11 モロー彗星

「えっ、大変な異常現象とは?」

「異常現象が起ったとは、つまり、この宇宙の中に、あたりまえでない出来事が起っていたんだ」

博士の目の中には、いらいらした気持が、はっきりと見られた。それを見て、新田先生も、なにかしらぞっとした。

「博士。宇宙の中に、あたりまえでない出来事が起っていた、とおっしゃるんですか。それは、一体どんなことなんですか」

博士は、なおも長い記録紙を、くりかえし広げて見ていたが、

「とにかく、これは地球始って以来の大事件が、近く起るぞ。というわけは、わしのかねて注目していたモロー大彗星の進路が、急に変ったのじゃ」

「はあ、モロー彗星の進路が、急に変ると、大事件が起るのですか」

11 モロー彗星

モロー彗星が、急に進路を変えたからといって、さわいでいる蟻田博士だった。それがなぜ大事件になるのか、新田先生には、わけがわからなかった。

「おい、新田。地球が遂に粉みじんになる日が来るぞ」

「えっ、なんですって」

新田先生は、びっくりして、博士の顔を見なおした。先生は、自分の耳を疑ったのである。地球が粉みじんになる。……と聞えたように思ったので。

「なんだといって、それだけのことじゃ。