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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

27 大警告

助け出された先生は、かなりの重体であった。ことに、丸木のために頭に加えられたうち傷はかなり深く、それに時間もたちすぎているので、その経過があやぶまれた。それで、救護班の手によって、大いそぎで病院に送られて行った。

何しろ東京全市も大混乱しているので、新田先生の手当も、早くしなければならぬのに、だんだんおくれて、その結果新田先生は、それから数箇月後までも、病床に横たわらなければならなかったのである。

とけない謎は、怪人丸木と千二少年の行方であった。二人の体は、棟木の下に見つからなかった。どうやら二人は、命が助かったものらしい。そうして千二は、丸木のために連去られたものと思われた。そうして二人は、消息をたってしまった。

その年は、混乱の中にあわただしく暮れ、新しい年が来た。

27 大警告

元の体になるかどうか、あやぶまれた新田先生の傷も、年があらたまるとともに、不思議によくなって行った。

先生が、怪人丸木のため頭部に受けた深い傷は、先生をながい間気が変になった人にしておいた。ところが、このごろになって先生は、ようやくあたりまえの人にかえり、看護婦たちと、やさしいお話なら出来るようになった。