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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

21 寄りそう師弟

「さっきから、先生は考えていたんだが、今とうとう先生は、たいへんな大秘密をつきとめたような気がするんだ。それこそは、この蟻田博士邸内にある最大の秘密かも知れない。どうやら、これで、この屋敷にがんばっていたかいがあったようだ」

21 寄りそう師弟

何が、そんなに、新田先生を興奮させているのか。

「先生、大丈夫ですか」

「何が、大丈夫だって。いや、心配しないでもいいよ。そして、これから、先生のやることを見ておいで」

新田先生は、はりきった顔に、つとめて笑いをうかばせ、なるべく千二君に恐しさをあたえないようにつとめていた。

「さあ、千二君。そこにいては、あぶないかもしれない。君は入口の扉のところへいって、なるべく体を、ぴったりと扉につけておいで」

「先生は?」

「先生は、もう一度時計を鳴らして見る」

「また、時計を鳴らすのですか」

「そうだ。だまって、見ておいで。しかし、あるいは、千二君の思いがけないようなことが起るかもしれない。が、どんなことがあっても、おどろいてはいけないよ」

「先生、僕のことなら、大丈夫ですよ」

千二は、そう答えて、先生から言われたとおり、入口の扉のそばへ、場所をうつした。