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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

24 博士怒る

「おお、蟻田博士だったのか、その面会人は……」

と、課長も大へん驚いたが、

「そうだ、ちょうどいい。博士に、すぐ会おう。今、すぐお目にかかるからと、そう言ってくれ」

と言えば、課長の前にかしこまっていた取次の刑事巡査は、ほっとした面持で、

「はい、そう申します。いや、どうも、あの蟻田博士という人は、扱いにくい人で困りましたよ」

と言って出て行ったが、間もなく入口のところで、その巡査の言争う声が聞えた。

「もし、蟻田博士、困りますなあ。こっちへ、はいることはなりません」

「いいやかまわん。大江山氏がすぐに会うというのだから、わしの方で、はいって行くのは、一向かまわんじゃないか」

「だめです、博士。応接室でお待ち願います」

「おうい、まあいい、博士をこっちへお通し申せ」

博士は、相変らずなかなか強情であった。白髪あたまをふりたてて、つかつかと大江山課長の前に近づくなり、

「おお、大江山さん。留置場にいる千二という少年に会いたいのだ。すぐ会わせてくれたまえ」

「千二少年ですか。彼は……」

と言いかけて、

「博士は少年に何用ですか」

「うむ、千二が、一しょにつれになっていた丸木という怪漢について、話を聞きたいのだ」