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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
47 ピート大尉
「わが火星兵団は、たいへん優勢であります。この分ではモロー彗星に衝突する日までに、地球をすっかり占領してしまうことが出来ると思います」
と、丸木は火星に向けて放送をした。彼はもう地球を、すっかり自分の手におさめてしまったつもりでいる。
「マルキ総兵団長!」
と、アメリカ上陸兵団から、電話がかかって来る。
「どうしたのかね」
「ただ今、当地からロケットが一台飛出しました」
「ふん、それは人間が乗っているロケットかね」
「そうであります。アメリカ一流の飛行士ピート大尉が乗りこんでいるのです。そのロケットは、火星に向けてとんでいるものと思われますが、すでにもう成層圏を通り越して、ぐんぐんとまっくらな宇宙に光の尾を引いて走っていきます」
「そうか。では、こっちからも見えるじゃろう。よろしい」
丸木は電話を切ると、火星の宇宙艇の中にはいって、ラジオの箱のようなものの前に腰をかけた。
その機械には、たくさんの目盛盤がついていたが、丸木はそれを器用な手つきでまわした。そのうちに、ぱっと緑色の電灯が光り出したと思うと、とたんにそのラジオの箱のようなものの真中に、映画のようなものがうつり出した。