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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
10 異常現象
そういう千二少年の話から考えてみて、火星のボートは、湖の中に沈んでいたのである。それが、飛出したというわけだろう。
そのあとで、千二は怪物と取組みあったまま水中に落ちた。そうして気がついてみたら、妙な部屋の中にいた。その妙な部屋というのは、火星のボートの中であった。
そこで千二は、丸木という怪人から、ボロンという薬品を買いにいくので、一しょにいってくれと頼まれた。そうして丸木は、遂に殺人事件をひきおこしてまで、ボロンを手に入れたのである。
その丸木は、ボロンの壜を、大事そうに抱えて、走り出したという。彼はそれからどこへいったのであろう。
もちろん怪人丸木はすぐさま、この湖へひきかえしたのにちがいない。ボロンの壜は火星のボートの中に持ちこまれたことであろう。それからしばらくして、火星のボートは湖の底から、空へ向けて飛出したものと思われる。
新田先生のすぐれた頭脳の力は、遂にここまで、怪事件を解いた。しかし先生も、ボロンがなぜ火星のボートに入用であるか、それについては知らなかった。
10 異常現象
新田先生は、東京へ引返した。
そのわけは、千二の父親が、真夜中に天狗岩のそばで見た火柱というのが、どうやら「火星のボート」