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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
15 大江山課長
新田先生も、今それをさとった。
「もし、博士。私は死にません」
新田先生は、きっぱりと言いきった。
「何じゃ。お前は死なぬというのか。ほほう、地球が粉々になっても、死なないというのか。お前は、変になったのではないか」
蟻田博士から、あべこべに変になったのではないかと聞かれた。世の中のことは、ずいぶんおもしろい。
(変になった?)
新田先生は、自分でも、変になったのではないかと思った。しかし先生は、どうしても死ぬつもりはなかったのである。死ぬ気もしなかったのである。
「うん、私はきっと、生きのびて見せる!」
先生は、顔を赤くしてどなった。
15 大江山課長
大江山捜査課長のにせ者が現れ、警視庁へ電話をかけ、千二少年をゆるして留置場から出すよう命令したと聞き、本物の課長は、驚きのあまり、顔色を失ったことは前にのべた。
「どうも、そうだろう。おれは、あの電話のことを後で聞いて知ったんだが、あれは警視庁の黒星だ」
と、佐々刑事はのこのこ前に出て来た。課長はよほど驚いたものと見え、無言で、机の上に頬杖をついて考えこんでいる。
課長からの電話だと思って、千二少年を出してやった掛りの責任者は、すっかりおそれ入ってしまって、これまた石像のように固くなって、突立っているばかり。