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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
57 大空艇
こうして、ついに火星兵団の全艇は、ものすごい音をたてて、一時に空中にまいあがったのであった。
丸木はぷりぷりおこっている!
57 大空艇
大江山突撃隊長は、ガス砲陣地のあるところから、すこし離れた小高い岡の上に立って、数名の観測員などを、さしずしていた。隊長をはじめ、いずれもみんな草や木の枝をあたまからかぶって、擬装していたものだから、空からは、これが人間だとは、見えなかった。
観測員の一人が、しきりに、空を見上げている。彼の目の前には、一本のつながたれていた。そのつなを、下から上へ見ていくと、二百メートルばかり上に、一羽の鳶のような形をした鳥が、つばさをひろげて、とんでいる。――いや空中に、ほとんど、じっとして、うごかないのであった。
それは、もちろん、ほんものの鳶ではなかった。それは、たいへんにかるい気体をつめた一種の風船であって、その風船には、光電眼がついていた。
光電眼は、テレビジョンと同じような、はたらきをもっている。球形のレンズに、外の景色はみんなおさめられる。すると、内側で、これが電気になって、つなの中をつたわって地上の観測員のところまでおくられる。