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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
3 第二の謎
どうせ死ぬのなら、という覚悟がついたせいかもしれない。日本の少年は、死の一歩前まで勇ましくたたかうのだぞと、日頃教わってきた先生のお言葉を思い出したためでもある。
「水の中へ、怪物をひっぱりこむんだ!」
父親の幻は、一生けんめいに、応援してくれる。そこで千二は相手の怪物のすきをうかがって、
「えい、やっ!」
と、満身の力をこめて、はねかえした。そのきき目はあった。
怪物の身体が、くるっと一転した。そしてひゅうひゅうと、苦しそうに呻った。そのとき両者の体は、一しょにごろごろと転がっていく。だんだんはずみがついてくる。そのうちに、体が急に軽くなった。
(あっ、落ちるのだな)
両者の体は、つぶてのように落下していく。
どぶうん。はげしい水音がきこえた。水柱が、夜目にも高くのぼった。
それっきり千二は、気が遠くなってしまった。
3 第二の謎
話は、すこしかわるが、「火星兵団」のことを、ラジオで放送して、世間の注意をうながした蟻田老博士のことである。
蟻田博士が、警視庁の大江山捜査課長から大いに叱られたことは、前に言った。それは「火星兵団」につき、博士があまりにもでたらめすぎることを言出したので、警視庁では、世の中をまどわすものとして、叱ったのである。