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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
さすがの先生も、
「あっ!」
と言って、両手で頭をおさえた。そうして大きなひびきを上げて床の上にたおれてしまった。
怪物丸木は、妙な声をあげた。それは、うれしそうに笑っているようなひびきをもっていた。
千二は、おどろきのあまり、さっきから失神したまま、丸木の手にかかえられていた。
丸木は、つかつかと先生のたおれているそばへやって来た。そうして腰をかがめて、先生の様子をうかがった。
先生が、曲げていた腕を、ぐっと伸ばした。
「ふん、まだ生きているな」
丸木は、そう言うと、片足をあげ、新田先生の鮮血りんりたる頭を、けとばすようなかっこうをした。そんなことをされれば、先生は、ほんとうに死んでしまう。
あわれ新田先生も、ついに怪物丸木のために、け殺されるかと思われた。そんなことがあれば、千二のなげきは、どんなに大きいだろうか。
重傷を受けて、床上に苦しむ先生を、何とかして助ける工夫はあるまいか。
ちょうど、その時であった。蟻田博士の秘密室の扉が、ばたんとあいた。
「待て、曲者!」
と、大ごえをあげて、室内へ飛込んで来た者があった。
丸木は、ぎょっとしたようであった。