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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
それは、みたこともない青褐色の材料で出来ていた。先生が軽く叩いてみたところでは、なかなか固く、ひょっとすると鉄などよりも、もっと固いのではないかと思われた。
それからこのボートが、地球以外のところで出来たらしいしるしは、まだ、ほかにもあった。今の外壁のことであるが、どこにもつぎ目がない。もちろんリベットなどは、一つも打ってない。これほどの大きなものを、リベットもつぎめもなくして作りあげることは、とても人間わざでは出来ない。
まだ違うところがある。
それは窓である。我々が知っているような窓は、窓わくを持っていて、そこへふたのようなものがはまるのであるが、火星のボートへよって、先生が見たところによると、そうはなっていない。窓のあいているところは、まわりから中央へ向かって、写真機のしぼりのようにしぼられて、しまるのであった。全くへんな窓である。
これらのことから、新田先生は、このボートは、火星人が作ったものに違いないと思った。
火星の宇宙ボートの前に、新田先生が立っている。
先生は、この宇宙ボートの珍しい姿に、すっかり気を奪われていた。そのあたりに、火星人が、うようよいることを、忘れていたのである。