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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
しかしわれわれ人類は、そうなっても、ちゃんと生きておられるでしょうか」
新田先生は、恐しい想像の中に、思わずおののいた。
「いずれ日本とアメリカとが、別れ別れになると言っても、それが二つの小さな地球の形になるとは思われない。今のところ、わしの考えでは、地球は粉みじんになって、そうして、いくつかの火の塊になってしまう」
「えっ、火の塊ですか。するとわれわれ人類は。……」
蟻田博士は、モロー彗星が地球にぶつかった時は、地球は幾つかの火の塊になってしまうであろうと、大胆な見通しをつけた。
「そうなれば、もちろん、地球上の生物は、一ぺんに焼けてしまって、ただもやもやした煙になってしまうだろうなあ」
蟻田博士は、平然と、まるでひとの事のように言う。
「博士、それでは、大衝突をすると、地球上の人間も、牛も、馬も、犬も、猫も、みんな死にたえてしまうと、おっしゃるのですか」
「そうだよ」
「やっぱりそうですか。地球上のありとあらゆる生物が、死滅するのですか。ああなんという恐しいことだ」
新田先生は、もう立っても坐ってもおられなくなって、椅子の上に、やっと自分の体をささえた。