轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
四月六日
これは本当のところよ、おそばだって妙に重くて粉が変になっている、あなたに鍋やきを云いつけに行った藪重、あすこも。
あなたもバタがあがれなくなったらよく果物を召上る方がいいでしょうね。油類もいいのがなくなりました。うちでは衛生上、豚の生脂肪をとかしたのをつかいます。脱脂綿、重曹なんかもありません。眼をひやしたガーゼのきれはし、大事大事よ。きょう、手拭の端がすこしきれたの、これ木綿よ、何に使う? と大笑いでした。
ああ、電報。夕刻つきました。あした御返事いたします。
きょうは午後、髪を洗いました。久しぶりでさらさらと軽く柔く快い髪。私の指の間に梳かれた髪、ポマードをつけられたときには、きっと爽やかに洗われた髪。その髪。
私は今しきりに考えて居ります、明日どうしようかと。自分で行けるかしら、行きたいけれど、と。
四月六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
四月六日 第二十五信
きょうはうすら寒いけれども空気が快い日でした。さっき寿江子を送りがてら買物に目白の通へ出たら桜が開いている空の上に、綺麗な星のきらめいているのが大変美しゅうございました。