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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
七月二十四日
きのう二十二日朝のお手紙――夏寒物語の分――がついたら、けさは十九日の分がつきました。面白いのね、この頃は。よく、あとの雁が先になります。ついた順に二十二日づけの分から。
やっぱり、あのチェックは夏寒なのかしら。それは一応紳士道から云えば、チェックつけるということから一つの例外ですけれど。でも、夏寒かしら。私にはどうしてもあの線の表情が見なれたものなのだけれど。独特なのよ、御存じ? 非常に一種のトーンがあって、それは、あなたが何か一寸みを入れてものを仰云るとき、背骨をごく表情的にお動しになる、あの感覚がいつも線に出ている、それなのだけれど。まあ、いいわ。私はこの夏寒むは未解決のままでいいの。なかなかそこにいいところがあって。
麻の手拭は、木綿よりアセモをなくします。くびのところにアセモが出来ていらっしゃるように思いましたが見ちがいでしょうか。枕につくところムンムンすることねえ。何かいい工夫はないものかしら。しきりに考えているのですけれど。座布団なんかは駄目ね。むしろかたいものを何かでくるんで、頸のところをすかすようにした方が、いくらかましかもしれません。