轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
面白いでしょう? 私はひとからいつも明るさと一貫性とでほめられますが、快活であるということは、私が苦しまず、悲しまず、憤らずにそうあるのではないわ。極めて複雑なものが統一され得る力をもっている、それを単純化して表現するだけであるとしたらつまらないと思います。そうでしょう? 私は計らず、評論で(理論家的素質からではないが)私らしい仕事まとめたから、小説を一つこのレベル以上に出そうと思います。
「山の英雄」のなかのあの文句、あなたも心におとめになったのね。「自覚した鋭い正直さ」バックは面白いわねえ。阿部知二なんかこれをでんぐりかえさせて(日常的な意味でさえ)存在しているのですものね。日本の多くの作家は、これだけ鮮明な表現で、日常性に立つ正直さをも把握していない方が多うございます。お手紙で云われているような意味では云わずとものこと。正直などということを道義的にしか感じられていないでしょう、ごく俗情に立っての。
文学の根蔕はこの自覚された鋭い正直さ、ですね。
本当に、この頃は疲れがへって、何とうれしいでしょう。汗のひどさなんて、人に云ったってうそかと思うでしょう。