轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
「うるせえ、そんな御託は、たくさんだ」と、安が、脇からどなった、「きれいな口をききゃあがって、ほんとのところはお豊をかどわかしてゆき、どこかのしまへでも叩き売るつもりだろう、銀流しみてえな面あしやがって、わかってるぞ、こん畜生」
「まあ待て」と、本野という浪人が云った、「貴公は、お豊の素性を知るまい、いまどういう事が起こっているかも知らぬだろうが、あの女にはいろいろわけがあり、いまは仕合せになれる運がまわって来ているのだ」
「仕合せですって」
「さよう、またとない幸運と云ってもよかろう、だからここで」
「もうよそう、むだな問答だ」と、幹太郎が云った、「私は三平の云うことを聞いた、あんな若い娘ひとりを、みんなが食いものにしようとしていることも、見当がつく、もう充分だ」
「貴公は、信じないのか」
「私は、お豊をもらうよ」
「待ちゃあがれ」
安が喚いた。
幹太郎は歩きだした。安は匕首を抜き、うしろから幹太郎にとびかかった。
安が匕首を抜くと同時に、本野という浪人も刀の柄に手をかけた。幹太郎は川岸のほうへ大きく跳び、二度、三度と突っかけて来る安の匕首を躱わしながら、さっと相手のきき腕を取ると、足搦みをかけて投げとばした。