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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
火星のボートは、一たん天狗岩の上に下りたが、それから間もなく姿を消してしまった。一体どうしたのであろうか。その火星のボートは?
新田先生の思うには、火星のボートは、千二の父親の見ている目の前で、天狗岩から天空はるかに飛去ったのにちがいない。火柱が見えたというのは、火星のボートというのは、じつはロケットであって、ロケットのお尻から強くふきだすガスが、火柱に見えたのであろうと考えていた。
しかしこの方は、なにぶんにもおかしくなった千蔵の言うことだから、あてにはならない。
それで、とにかく例の天狗岩に姿をあらわし、そうしてまた天狗岩から飛去ったものが火星のボートであるとしたら、それは地球をあとに、火星へどんどん帰っていったにちがいない。
ところで、火星と地球とのへだたりは、たいへん遠い。火星のボートが、火星へかえりつくのには、どんなに早く天空を飛んでいったにしろ、一週間や二週間はかかるであろう。そういうわけなら蟻田博士の自慢の大望遠鏡で宇宙をさがしていると、きっとその火星のボートといわれるものが、見つかるにちがいない。見つかれば、そこではじめて、火星のボートであったことが、ほんとうだとわかるし、さらにすすんで、火星のボートの秘密もいろいろとわかるにちがいない。