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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

だが、先生は気が気ではない。警視庁へ出かけた博士が、いつ、ここへかえって来るか、知れないのだ。

見つかれば、たいへんなことになる。博士にことわりなしに鍵を持出し、この秘密室にはいっているのだから、見つかれば、博士はどんなに怒り出すか知れない。その結果、せっかく新田先生が、博士の力を利用して、モロー彗星衝突によるわが地球人類の全滅を、何とかして食いとめたいと努力をしていることが、一切だめになる。

先生は、腕ぐみをしてしゃがんだまま、しきりに頭をふったが、この部屋の謎は、一向にとけなかった。

先生が、考えこんでから五、六分のちのことであったが、ふと先生は、あやしい物音を耳にした。

「おや、何の音だろうか、あれは……」

先生は、けげんな顔で、聞耳をたてた。

ごとん。――しばらくして、また、ごとん。

「ああ聞えた。あれは一体何の音だろうか。うむ、床下から聞えて来るようだ」

先生は、足音をしのばせて、立ちあがった。どこかに、床下へはいる場所がありはしないかと、部屋の中を見まわしたが、何しろ、とっさのことでもあり、そんなものは見あたらなかった。

(どうしたら、床下が見えるだろうか?)