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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「おい君。この辺で、子供を見かけなかったか」

と、声をかけた。

「なに、子供?」

佐々は、顔を上げたが、けげんな顔。

とつぜん呼びかけられて佐々刑事はちょっと面くらった。

「子供って、何のことだね」

と、佐々は問いかえしながら、相手の顔を見た。

相手は、制服すがたの警官だった。帽子をまぶかにかぶって、その帽子の庇から、こっちをじっと見ている。しかし、佐々刑事は、そのような顔の警官に始めて会う。芝警察署あたりから応援に来た警官だと、佐々は思った。

「子供だ。この辺で、子供を見なかったかね。その子供は、死んでいたかも知れない。子供の足跡でもいい。君知っていたら、教えてくれたまえ」

その警官は、つかえながら、そんなことを言った。

「さあ、僕は、何も見かけなかったよ」

相手の様子が、何だか変である。よく見ると、その警官は、あごからのどへかけて、白い繃帯をまいているのであった。

「君、どうしたんだ、その繃帯は?」

と言って、佐々は、すこし失敬かなとは思ったが、懐中電灯を相手ののどに向けた。

すると、相手はびっくりして、

「な、何をする!」

と叫んで、横にとびのいた。

「やあ、失敬失敬。