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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

課長は、そう言って、唇をかんだ。

怪人丸木は、どこへ逃げた。

大江山課長は、部下を励まして、あたりをさがさせた。中にも、佐々刑事は、さっき丸木にやっつけられたくやしさもあって、たいへんな、はりきり方であった。

「こんど丸木に出会ったら、僕は、どんなことがあっても、あいつの首を分捕ってやる」

佐々刑事は、そんなことを言っていた。

「怪人丸木の首を分捕る? そんなものを分捕って、どうするんだ」

と、同僚が聞くと、佐々は肩をゆすりあげて、

「ふん、あいつの首の使い道か。僕は、あいつの首をきざんで、ライスカレーの中へたたきこむつもりだ」

「えっ、君は、あいつの首を食うつもりか。とんでもないことだ、君は食人種かね」

「食人種? そうじゃないよ。丸木が人間なら、あいつの首を食べればそりゃ食人種さ。しかし丸木は、人間じゃないんだ。だから、僕は食人種になりはしないよ」

「じゃあ、何になるかなあ」

「食化種さ。お化の味を、僕が第一番に味わってみようというわけさ。もし、おいしかったら、君にも分けてやるよ」

「じょうだんじゃない。お化の肉のはいったライスカレーなど、まっぴらだ」

「さあ、くだらんことを言わないで、早く丸木をさがし出せよ」