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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「そうだ。蟻田博士が、たいへん大切にしている部屋なんだ。ところが、その部屋へはいってみたところ、部屋はがらん洞で、何も置いてないんだ」
「空部屋なんですね」
「うん、空部屋なんだよ。ただ、柱時計が二つ、壁にかかっているだけだが、この時計も、べつに変った時計でもなく、昔からよくあるやつだ。しかも、その時計は、ほこりを一ぱいかぶったまま、針はとまっているんだ。先生は、博士がなぜ、あのようなとまった古時計しかない空部屋を、大切にしているのか、わけがわからないので、困っているのだよ」
「そうですか。全く、わけがわかりませんねえ」
と、千二も、先生も同じように首をかしげた。
「どうだ、千二君、君は床下にいて、何か秘密のあるようなものを、見なかったかね」
「床下で秘密のあるようなものというと……」
と、千二はしきりに考えていたが、
「ああ、あれじゃないかしら」
「何だ。あれとは――」
新田先生は、思わず声を大きくして、千二にたずねた。蟻田博士の秘密室の床下で、千二は、何を見たのであろうか。
「それは、博士の秘密だか何だか、わかりませんけれど……」
と、千二少年は前おきをして、