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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

脚立のような形をしたその西洋梯子を、新田先生は、秘密室へかつぎこんだ。そうして柱時計の下においた。ちょうど、ほどよい高さであった。

「先生、僕、梯子をおさえていますよ」

「そうかね、じゃあ、先生はのぼってみるよ」

新田先生は、梯子をのぼった。

先生は、時計の扉を開いてマッチをつけると、その光をたよりに中をのぞきこんだ。

「先生、何か、かわったものが、見つかりましたか」

「そうだね。時計の中には、ラジオの受信機のように、電線が、ごたごたと引張りまわしてあるよ。しかし、この電線は、何のためにあるんだか、どうもよくわからない」

「先生、四時が鳴らないわけは、わかりましたか」

「うん、今それをしらべているところだが、ええと、この歯車が、時計を鳴らす時にまわる歯車だ。すると――」

先生は、また新しいマッチをつけて、時計の中をのぞきこんだ。

「――べつに、かわったことはないようだ。三時も四時も、ちゃんと鳴るはずだがなあ」

「四時は鳴るように、なっていますか」

「そうだよ、千二君、今、鳴らしてみよう。聞いていたまえ」

新田先生は、時計の中へ指を入れて、歯車のかぎを引張った。

ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん。