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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
それから、もっと針を廻してぼうん、ぼうんで二時だ。それから、またさらに針をまわして、ぼうん、ぼうん、ぼうんで三時さ。わかるかね、千二君」
「それくらいのことなら、はじめから、僕にもよくわかっていますよ」
千二は、先生に、ばかにされたとでも思ったのか、頬をふくらませて答えた。
「それが、わかっているね。そんなら、よろしい。第一時計は、そのままにしておいて、さて次に、第二の柱時計をうごかすのさ」
「はあ、――」
「分針を、十二のところへもっていくと、第二の柱時計は、鳴りだした。ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん、ほら五時だ。五時をうったのだ」
「えっ、五時?」
「そうだ。第二の時計は、五時から鳴りだしたのだ。次は六時、七時……とうっていった。そういうわけだから、四時をうつ音は、聞えなかったんだ」
「ええっ、何ですって」
「つまり、千二君、実際は、二つの時計が鳴ったのだ。それを、君が一つの時計が鳴ったように思ったから、四時がぬけたと思ったんだ」
「ははあ、なるほど」
ああ、ついに、柱時計の秘密はとけた。
千二少年は、新田先生のあたまの働きに、すっかり感心してしまった。