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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
その間に、もう先生は、柱時計のそばにかけた梯子を上っていた。
先生は、
(千二君、始めるが、覚悟はいいかね)
といった風に、千二の方を、ふりかえったが、千二が、言いつけたとおり、ちゃんと扉のところで小さくなっているのを見ると、安心の色をうかべて、時計の方へ向きなおった。それから、新田先生は、右の柱時計の針を、指さきでまわして、また、ぼうん、ぼうんと鳴らしていった。一時、二時、三時!
「さあ、こっちの時計は、これでよし。今度は、もう一つの時計の方だ」
先生は、右の時計を三時のところでとめると、今度は、左の柱時計の方へ手をのばして、ぼうん、ぼうんと鳴らしはじめた。
一体、何事が起るのだろうか。
ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん。
第二の柱時計は、あやしい音を立てて、五時をうった。
その音を聞いていた千二は、何だか、背中がぞくぞくと寒くなるのを覚えた。
新田先生の指が動くと、時計の針は、またぐるぐると廻って、やがてまた、ぼうん、ぼうんと、あやしい音を立てて鳴り出すのであった。
「ああ先生! 新田先生!」
と、千二は、先生の後から、呼びかけてみたくなった。