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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

ぎいーっ、ぎいーっ。

床下にあたって、歯車か何かが、きしる音!

「ううむ……」

と、新田先生はうなった。

ぎいーっ、ぎいーっ。

「あっ、床が……」

千二は、思わず驚きの声をあげた。

「しっ!」

新田先生が、叱りつけるように叫んだ。そうして、両眼を皿のようにして床を見つめている。

見よ! 床が、動いているのだ!

秘密室の床が、真中のところで二つに割れて、しずかに左右に分れていく。そうして、その間から、まっくらな床下の穴が見えて来た。だんだんと、そのまっくらな四角な穴は広がっていく。

千二少年は、息をつめて、それを見ていた。なぜこうして、床が、動きだしたのであろうか。

新田先生は、ついに、二つの柱時計の謎をといたのだった。一方の時計を三時までうたせ、それからもう一方の時計を九時までうたせると、それが組合わせになって、この床を左右に開く仕掛が働き出すのであった。つまり、そのように二つの時計を鳴らさせるということは、錠前を鍵ではずしたことにもなり、また、床を動かす仕掛のスイッチを入れることにもなるのだった。これが蟻田博士が、この部屋に仕掛けておいたすばらしい秘密錠なのだ。