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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、部下の刑事巡査が、外から帰って来た課長の姿を見るなり、言ったことであったが、課長は、気ぜわしそうに首を振ると、

「ううん、面会人なんか後だ。それどころじゃない。まず、大変な事件の報告を聞くのが先だ」

と言って、奥の総監室に姿を消した。

総監は、真夜中にもかかわらず出て来ておられた。これは、それほど大きい事件であった。

何の打合わせがあったかわからないが、それから三十分ほどたって出て来た大江山課長の顔色は、いつになく、朱盆のように赤かった。

総監室を出て来た大江山課長は、たいへん興奮のありさまであった。

彼は、すぐさま自分の席にとって返すと、首脳部の警部たちを集めて、何ごとかを命令した。すると、その首脳部の警部たちは、共にうなずいて課長の前を下った。どの人の顔も緊張しきっていた。警部たちは、そのまま外に出て行った。

だんだんと、モロー彗星事件の波紋は広がって行く。警部たちは、まためいめいに自分の部下を集めて、鳩のように首をあつめ、何事かを伝えた。

それから、電話掛と無電掛がたいへんいそがしくなった。驚くべき警報と、何事かの密令とが、方々にとんで行ったのである。