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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「さあ、誰だろうか。先生もさっきから考えているんだけれど、よくわからない。博士が帰って来たのかも知れないが、それにしては、あの足音が、あまり響きすぎる」

「足音が響き過ぎるというと、どんなことですか。足音が怪しいのですか」

新田先生は、うなずいた。

「千二君。よく耳をすまして聞いていたまえ。博士は、老人だよ。そうして体もたいして大きくないのだ。そのような老人にしては、あの足音は、あまりにどしんどしんと響き過ぎるのだ。まるで、鉄でこしらえたロボットが、足を引きずって歩いているようではないかねえ」

千二は、それを聞いて、にわかに、薄気味が悪くなった。まさか、ロボットが!

新田先生と千二少年は、だんだん不安になって来た。

せめてその足音が遠くなるようにと、心の中にいのっていたが、意地わるく、その重くるしい足音は、いつまでたっても、二人の頭上から去らなかった。

「私たちを、いつまでも、この地下室に閉じこめて置くつもりなのだよ」

先生はそう言った。足音は、同じところを、こつこつと、ぐるぐるまわりしているのだった。

「先生、僕たちは、どうなるのでしょうか」

千二は、心細くなって、思わず、先生にひしと抱きついた。