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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

日本だけではない。ドイツもイタリヤも、イギリスも、アメリカも、ロシヤも、フランスも、それから満洲も、中国も、大さわぎである。

足の下に踏みつけている地球が、こなごなにこわれてなくなるのだというから、これほど恐しいことは外にない。

一体、地球の上の人類はどこへにげたらいいであろうか。またどうしたらにげられるであろうか。

このことについて、世界中で一番さわいでいるのは、イギリスとドイツとだった。

イギリスでは、例の王立天文学会長リーズ卿が、昨年の暮になって、『いかにしてわが人類は、生命を全うすべきか』という題のもとに、放送局から全世界へよびかけた。その時、リーズ卿は、こんな風に言った。

「わが王立天文学会へ、皆さんがいろいろな避難方法を書いて送って下さったことを、予はふかく感謝するものです。我々の学会では、学者たちにこれを示して、どの方法がいいか、どの方法がすぐにも出来るか、ということについて調べてみました。しかし、ざんねんながら、どれもみな出来そうもないものばかりでありました。

たとえば、モロー彗星と衝突する前に、地球の反対側から軽気球に乗って、空中へのがれるのがいいという案がありました。