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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
卿の放送は、いよいよおしまいに近づいたようである。
「つまり、ひっくるめて言うと、モロー彗星の衝突によって起る惨害から救われるためには、誰しも考えつくのは、火星への移住である。しかし火星へ移住することは、二つの心配があって、一つは空気がうすいこと、もう一つは、火星人が、我々地球人類を、こころよく迎えてくれるかどうか、この二つのことがたいへん心配である。
どうか、諸君は、くれぐれもこのことを忘れてはならない。世界各国の政府は、この二つの心配に対し、本気になって考えておかねばならない。移住に際し、火星人を、みな殺しにしてしまえなどという、あらい言葉をつつしむように。きびしい言葉で言えば、我々の一人たりとも、火星人をおこらせてはならないのだ。火星人が気持を悪くするような言葉を、はいてはならないのだ。つつしみのないたった一人の失敗のために、我々全人類が、火星人から、ひどい目にあうとすれば、ばかばかしいことだ。とにかく、そういう不穏な人間が出た時は、政府はすぐ彼を、銃殺にしてしまうのがいいだろう。予のもっとも気にかかることは、これである」
リーズ卿の放送は、そんなところで終った。