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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「そうだ。わしは丸木ですよ」

と、黒マントの男は、へんにしわがれた声で言った。

「君は丸木か。いつぞやは、私をひどい目にあわせたな。それはいいが、君はまた千二少年をさらって、どこへ連れて行ったのか。早く返したまえ」

怪人丸木は、それには答えず、

「新田先生。我々は、あなたに相談があるのだ」

穴の中の広間で、めずらしくも、怪人丸木と新田先生とが、にらみあっている。

その丸木が、いつになく、やさしい猫なで声を出して、新田先生に相談があると言ったのである。

「相談とは、何です」

と、新田先生はゆだんをしない。

すると、丸木は、

「まあ、そこへおかけ」

と言って、先生に、腰かけにちょうどいいほどの大きな石ころをすすめ、自分はのっそりとつっ立ったままで話をはじめた。

「どうぞ、君もおかけなさい」

と、先生は礼儀正しく、丸木にも腰をかけることをすすめたが、丸木は、いや、私は、この方がいいのですと言って、あいかわらずつっ立ったままだった。他の火星人は、先生と丸木とをとおまきにして、つっ立っている奴もあれば、無作法にもごろんと地面に寝そべっている者もあった。

「ところで、新田先生。