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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「だから先生、この際地球の人類は、自分だけの力でこの難関を切りぬけようとしてもだめですよ。わが火星の力がなくては、地球人類の生命は、助らないのだ。だから、我々の申出を受けて下さるがいい」

丸木は、いよいよ得意そうに言った。

「なるほど。そんなりっぱな火星の宇宙艇を、たくさん借りることが出来れば、我々も大助りです。政府に話をすれば、きっと喜ぶでしょう」

「そうです。きっと喜ぶでしょう。先生、あなたは、やっと、我々の話を、本気で聞いてくれるようになりましたね」

「で、私に、政府へ話をしろと、おっしゃるのですか」

「その通りです。そうして、こういうことも、よく話をしてもらいたいのです。わが火星の宇宙艇の着陸場として、この附近の山中を我々にゆずってもらいたいのです」

「えっ、何ですって」

丸木は、少し言葉じりをふるわせながら、

「つまり、この山梨県の山中を、我々火星人に、自由に使わせてもらいたいのです」

と、何でもないことを、おずおずと申し出た。どうも、丸木の話しぶりがへんだ。

31 火星人

たいへんな相談をかけられたものである。地球人類を救ってやるから、この山梨県の山中一帯を、火星人にゆずれと言うのだ。