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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ひゅう、ひゅう、ひゅう。
ぷく、ぷく、ぷく、ぷく。
妙な声を立てて、火星人たちが、騒ぎ出した。新しくやって来る火星のボートの着陸の用意で、大変いそがしくなったのであろう。
新田先生は、その時、またもや穴の奥から、そろそろと這出して行った。
(今こそ、脱走するのに、もって来いの時だろう!)
この騒ぎのうちに、先生は監禁の手からのがれたいと思ったのである。
穴の中から外の方へ、そろそろと這って行ったが、幸いにも、さっきの番人がいたところに、誰もいない。
「しめたっ!」
新田先生は、番人のいないのを幸い、どんどんと、穴の中を這って前進した。
すると、とつぜん目の前に、ぴかっと光りものがした。
そうして、火星人から奇妙な叫び声をあびせかけられた。
「あっ、見つかったか」
先生はおどろいたが、かねて覚悟をしていたこととて、いきなり身をひるがえして、後へ戻ると、壁にぴたりと体をつけた。とたんに後を、風のように行きすぎたものがあった。火星人が、先生の跡を追って、穴の奥の方へ行ったのであった。
「今だ!」
先生は勇気を出して、またもや、穴の入口の方へ向かって、這って行った。