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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

が、頭をしたたかに打たれたので、先生はしばらく、ぼうっとしていた。

ひゅう、ひゅう、ひゅう。

ぷく、ぷく、ぷく、ぷく。

先生が、気がついた時、そういうあやしい叫び声が、すぐ間近に聞えた。

先生が、気がついてみると、その前には、丈夫な檻があった。

檻の中には、不思議な生物がいた。それは犬ぐらいの大きさであったが、犬ではなく、形は、たこによく似ていた。――大きな頭に、ぎろぎろと動く大きな目玉、それから、胴中がほんのちょっぽりしかついていなくて、すぐ手足みたいなものが生えている。

「あっ、まだ生きていたな。この前、穴からのぞいた時に、下にうごめいていた怪物は、こいつらだ!」

先生は、急には言うことをきかぬ体を、むりやりに動かして、檻からすこし後に下った。

ひゅう、ひゅう、ひゅう。

ぷく、ぷく、ぷく、ぷく。

怪物は、二匹であった。その二匹の怪物が、檻の中から、しきりに、新田先生のかおをながめつつ口をとがらせて、何か叫んでいるのだ。

先生は、はじめびっくりした。それは、あまりに気味のわるい怪物のそばへ、近よっていたからである。

ところが、怪物は、檻の中で吠えたてているが、べつに先生に飛びかかろうという風ではなく、どうやら何か訴えているようだ。