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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
博士のこのやつれようは?)
博士は、鼻の頭にずり落ちそうになる眼鏡を押しあげながら、
「おい、新田。今、聞いておれば、お前はここにいるロロと、何か話をしていたじゃないか。お前はいつ、そのような勉強をしたのか、いやさ、どうして火星語を話せるようになったのか」
博士は、不思議に思っているらしい。
新田先生は、今はもう仕方がないと思い、変話機を出して、これまでのいきさつを、かいつまんで、博士に報告したのであった。
博士はうなずきながら、おとなしく、先生の話を聞終った後、
「ふうん、お前にしては、お手柄じゃ。その手柄にめんじて、わしは、これまでのお前の罪を許して、もう一度、門下生として教えてやろう」
博士は、横柄な口をきいた。
蟻田博士のきげんが、大へんいいので、新田先生は、この時とばかり博士に聞いた。
「博士、モロー彗星が地球にぶつかる日が、いよいよ近づきましたが、どうにかして人類を助ける工夫はないでしょうか」
博士は、ひげをふるわせ、新田先生の顔をじろりと睨み、
「助ける工夫はない。たとえ、助ける工夫があっても、今日のような、おろかな人間どもを助けることは無用だよ」