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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

火星人はたいへんに喜んだ。そうして全身をふるわせつつ、自分の体を博士の体にすりよせた。

「蟻田博士、ありがとう、ありがとう」

よほど、うれしいらしい。

博士は、にこにこ笑って、その病める火星人に、ゆっくり体を休ませるように言った。そうして、火星人が、そこに寝ると、その火星人の体の上に、きれをかけて暗くし、それから、どういうわけかその火星人の足を、水をいっぱい張った大きな洗面器のようなものの中に、つけさせたのであった。

それを見ていた新田先生は、また不思議に思った。

「火星人の足を、水につけたりして、一体どうしたわけですか。おまじないなんですか」

と、新田先生は尋ねた。

すると博士は、首を左右に振って、

「いや、これはおまじないではない。こうすることによって、火星人はさらにいきいきとして来るのだ」

と、博士は妙なことを言った。まるで、植物の根に水をあたえて、いきいきとさせるようなことを言った。

「え? 博士の言われることが、よくわかりませんが」

「わからないと言うのか。ふん、君にはそこまでわかるまい」

43 寄生藻

蟻田博士の手当がうまくいったのか、病気の火星人は、その後すやすやと眠り出した。