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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

新田先生は、博士を起せば、博士はきっと、怒り出し、御きげんを損じてしまって、あとあとのために悪いことを知っていたので、博士をゆり起すことはさしひかえた。

さて、こうして地底において、火星人兄弟も眠り、博士も眠っているところを見ていると、先生はだんだんへんな気持になって来るのであった。何だか、ここは東京ではなくて、火星国の中のような気がするのであった。

その時、先生の頭に、ひらめいたことがあった。

それは外でもない。博士のねむっている中に、さっき宇宙電話をかけて来た佐々刑事をよび出し、話をしてみたい、ということであった。佐々は、きっと地球人類のためになることを、話してくれるにちがいない。

「そうだ、それがいい。そうして今の中だ」

先生は、宇宙電話機の前へしのびよった。そうして、高声機を、耳にかける受話機の方に切りかえ、その受話機を、大急ぎで耳にかけてスイッチをひねったのであった。

さあ、果してうまく佐々の声が聞えるかどうか。

新田先生は、スイッチをひねってから機械がはたらき出すまでの数秒間を、たいへん待ちわびた。

ところが、受話機の中から、ついに佐々の声がしたのであった。