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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
そこで彼は目をあいたまま、ねむりはじめるのだった。そうして、今も彼はよく眠っているのである。
怪人丸木は、蚊帳のような形をした減圧箱の中に、だらしなく眠っている。――
朝日が、天井窓からさしこんで来た。何の音も聞えない。静かな朝であった。人間たちの、さわぎをよそに、丸木はすっかりいい気持で眠っているのだ。
するとその時、天井からさしこんで来た光が動いた。
朝日の光が動いたのではない。光の中に、別の人がはいって来たのである。
影法師の人間が、減圧箱の上に影をなげかけた。大きな頭がうつった。その頭には、不思議にも鬼の角のようなものが生えていた。
鬼か?
鬼でもなさそうだ。角は、二本よりも、もっとたくさんあった。そうして束ねた髪の毛のように、ぶらんぶらんゆれていた。
やがて一本の梯子が、上から下りて来た。そうして床の上についた。
その梯子を、つたわって、下りて来る者があった。さっき影を見せていた、あの鬼のような人物だった。
黒いマントを着ていたが、下に下立ったところを見ると、それは外でもない千二少年であった。
ああ、千二少年!
千二は、今までどこにいたのであろう? 今、千二はただ一人で下りて来た。