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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

この火星人こそ、大江山課長をやっつけた火星人だったのだ。

そのうちに、ひどく大きな音で、

しゅうっ!

と、へんな音がした。

とたんに、その火星人の体は、ふらふらと前後にゆれたかと思うと、積重ねてあった樽をたおすように、どすんと横たおしに、たおれてしまった。

それを見て、他の火星人はまたびっくりしなおしたらしかった。彼らは、たおれた火星人のそばへ駈けよった。

すると彼らは、そこで不思議な有様を見た。それはたおれた火星人の大きを腹の上から、黒いけむりがもやもやと盛に立ちのぼりつつ広がっていくと見ているうちに、あの丈夫なドラム缶のような胴が、どんどん湯気のように蒸発していって、やがてその下から、みにくい火星人の体が、小さくちぢこまって、あらわれたのであった。

胴が蒸発して、なくなってしまったのである。さあたいへんである。どうしてこうなったのか、訳がわからないが、火星人たちは、びっくりしてそこをとびのいた。

「撃て! 今だ!」

博士の声だ。ごうん、ごうんと、博士と先生とは、残る火星人めがけてガスピストルを撃出した。

十号ガスのききめはものすごかった。

蟻田博士と新田先生とは、のこりの火星人めがけて、ガスピストルを、どんどんぶっぱなした。