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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
全くいないよ」
「みんな、逃げてしまったらしいね。不意打に怪力線をひっかけてやったので、人間どもの持っていた金属製のものが、みんなぐにゃぐにゃになっちまって、きもをつぶしたのだろう。人間のくせに、我々高等生物をやっつけようなどとは、ふらちな奴どもじゃ」
何が、ふらちであろう。地球へ攻めて来て、人もなげな振舞をする火星兵の方が、よほど、ふらち千万である。
しかし世の中は実力がものを言う。いくら、相手がけしからんと口でおこってみても、相手が実力で攻めて来れば、こっちに実力がなければ、むざんにふみにじられる。実力を持っていないもの、実力を用意することを忘れていたものは、いつの世にも、あまりにみじめである。
しかし、地球人類は、火星兵団の怪力線のために、全く手も足も出なくなったわけではない。少くとも、ここにわが蟻田博士がいる。
一夜のうちに、博士は火星兵団をやっつける新しい用意をととのえ終ったのであった。さて、何が出て来るであろうか?
56 負け戦
その朝、火星兵団長の丸木は、例の通り千二少年に起された。
丸木は、いつになくきげんがよかった。それはきのう大江山突撃隊のため、あやうくやっつけられそうになったが、怪力線を使ってそれをうまく撃退したので、それで、きげんがよいのであった。