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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「いま、痛みをとめてやるから、がまんしろ」

と、丸木は、千二のかぶっている電気帽のねじを、ゆるめにかかった。

「あれっ! これは、ねじがさびている。なかなかうまく、まわらないぞ。うん、うん」

丸木は、うなりながら力いっぱい触手でもって、ねじをゆるめたのであった。ところが、あまり力を入れすぎたものだから、ねじの一つが、ぽろんともげ、こつんと音を立てて下に落ちた。

「ああっ、痛っ!」

千二が、悲鳴を上げた。

「おお、かわいそうに……」

丸木はあわてた。

千二は、もだえながら、ぱたりと下に倒れてしまった。

「しまった。千二よ、死んじゃいかんぞ」

丸木が、少年のそばへ、かけよろうとした時、この室にとりつけてあった警報のベルが、けたたましく鳴り出した。

じゃん、じゃん、じゃん、じゃん。

「おお、警報ベルだ。どうしたのかな」

丸木はびっくりして立ちすくんだ。

その時、かべにしかけてあった高声器から、大きな声で火星語が鳴り出した。

「兵団長、たいへんです。わが兵団は、ただ今大損害を受けつつあります。すぐお出でを願います」

「大損害とは、どうしたんだ。何事がはじまったのか」

「たいへんです。