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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
とたんに、新田先生は、ひどい力で、ぐうんとうしろへ、引かれたと思った。あたまが、ふらふらとした。なんだか、部屋が、走りだしたようである。ここは、ふかい地下だというのに、ふしぎなことである。
「ほら、外を見ろ」
「えっ!」
先生の前のかべに、円い窓のようなものがあらわれ、明かるい光が外からはいってきた。先生は、その窓をのぞいて、あっとおどろいた。
ゆれる部屋だ!
新田先生は、窓から外を見て、びっくりしてしまった。というわけは、窓の外に、いきなり、市街が見えたからである。
いや、走る市街であった。
「博士、これは、どうしたのでしょうか」
それに対して、博士はおちついたこえで答えた。
「わからないかねえ。われわれは今、大空艇にのっているのだ」
「大空艇? 大空艇というと……」
「これは、わしが、かねてこしらえておいた新式の飛行艇だ。麻布の高台の下に、うずめておいたが、トンネルのような長い部屋と見せて、実は、魚雷を大きくしたような形の飛行艇なのだ」
「そんなりっぱなものが、地底にうずめてあったのですか」
「そうだ。しかしこの大空飛行艇は、飛行機ともちがうし、ロケットともちがう。