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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そうなりますねえ」

「それはそうだ」

「ぼくは、丸木を、いい火星人になおしてやりたいのです」

「だめだよ。火星の生物は、植物の進化したやつなんだから、生まれつき、ざんこくだ。どんな、むごたらしいことでもやってのける。少しくらい、情の心をおしえても、たぶん、それはだめだよ」

「でも、ぼくは、きっと、それが出来るとおもうのです。しかし、丸木はあばれん坊です。ですから博士、丸木をうまく捕虜にすることは出来ませんか。そうしたら、ぼくが……」

と、千二が、ねっしんに、博士をといているうちに、博士は、はっとした顔になった。

「ああ、とうとう火星兵団は、わしたちを見つけたようじゃ。おお、方向をかえて、こっちへ向かって来るぞ。おい、新田、ガス砲の発射準備だ。その席について、ねらいをさだめるのじゃ」

丸木を兵団長とする火星の宇宙艇は、ついに蟻田博士の、大空艇の姿を見つけたようである。

さかんに、大江山ガス砲隊陣地を、怪力線で攻撃していた宇宙艇隊のなかから五箇艇ばかりが、艇の首を、こっちへ向きかえた。

「来るぞ。新田、いよいよ来たぞ」

博士は、さけんだ。老人とも見えない元気をみせた博士であった。