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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「ああ、これか」
博士は、うなずいた。円い窓に、一つの奇妙な顔がのぞいている。それは、丸木のほんとうの顔だった。つまり耐圧服をぬいで、素顔をみせているのであった。奇妙な火星人の顔であった。
眼は大きく、くちばしのようなものがとび出し、ひたいのところからは、触角のようなものがぶらさがっている。丸木は火星人としては、かなりの年寄だ。
宇宙艇の窓から、丸木の目が、あやしくうごく。くちばしが、ぶるぶると、ふるえるところまでが、よく見える。
「なにか、しゃべっているのだな」
と、博士は、宇宙艇の丸窓を大うつしにうつし出しているテレビジョンを見て、言うのであった。
博士は手をのばして、配電盤上のスイッチを、ぴちんと入れた。
すると、天井につってある高声器から、いきなり異様な声がとび出した。
「おい、蟻田。やっと、受信をはじめたか。あいかわらず、あたまのわるい奴だ」
どくづいているその声は、丸木の声であった。
博士も、負けてはいない。
「おい、丸木。われわれ地球人類が、いかにつよいかということを、もう十分、さとったであろう。このへんで降参したがいい」
「なにを、蟻田め、それは、こっちで言うことだ。